医療機関のシステムをサポートしていると、自社の担当システム以外のお困りごとをご相談いただく場面が少なくありません。
先日も、ある医療施設様から「新しいスキャナを購入したのだけれど、うまく使えなくて、どこに聞けばいいか分からなくて……」というご相談をいただきました。
お話を伺うと、スキャナ自体は施設様が独自にご用意されたもので、それを接続するパソコンは別システムのベンダー様が納品された端末でした。
スキャナそのものは施設様がご用意されたもの。そして、そのスキャナを接続する端末は別システムのベンダー様がご用意された端末です。
つまり、厳密に言えばスキャナも接続先の端末も、弊社が納品した(保守を担当する)製品ではありません。
本来であれば、「弊社の担当外ですので、各メーカー様へお問い合わせください」とご案内して終わってしまうお話かもしれません。
それでも弊社を頼ってお電話をくださった背景には、「そもそも誰に聞けば解決するのか分からない」という現場の切実な事情がありました。
現在の医療機関のIT環境は、電子カルテ、PACS、検査機器など、複数のメーカーのシステムが複雑に組み合わさって動いています。
そのため、トラブルが起きた際に「これはPCの問題?スキャナの問題?それともシステムの問題?」と原因が特定しづらく、結果として各メーカーの窓口でたらい回しになってしまうケースが少なくありません。
もちろん、メーカーごとに責任を持って対応できる範囲(保守の線引き)は決まっています。
しかし、多忙な医療現場でシステムを使っている方からすれば、メーカー側の事情は関係ありません。
「新しいスキャナを買ったのに使えない。今すぐ業務で必要なのに」と困っている。それがすべてです。
すべての設定を弊社が代行することはできませんが、「問題の切り分け」をお手伝いすることは可能です。
この日は、お客様と一緒にスキャナの取扱説明書を確認しながら、電話口で初期設定の操作をサポートさせていただき、無事にスキャナで書類が読み取れるところまでは確認できました。
しかし、施設様が本当にやりたかったのは「読み取ったデータを、別ベンダー様のシステムに取り込むこと」です。
こればかりは該当システムの仕様に関わるため、弊社では判断できません。
そこで、「スキャナ単体では正常に動くことが確認できました。ここから先のシステムへの取り込み手順については、〇〇のベンダー様へ『スキャナの動作確認はできている』とお伝えして確認してみてください」と状況を整理し、いったんお電話を終えました。
ただ、電話を切ったあとも少し気がかりでした。
「スムーズに当該メーカーのサポートへ引き継げただろうか?」
そこで20分ほど経ってから、「先ほどの件、無事に対応してもらえそうでしょうか?」と、こちらからもう一度お電話をしてみました。
すると、施設様は安堵された様子で状況を報告してくださり、最後にこんな言葉をかけていただきました。
「メーカーのサポートというより、なんだか親切な知人みたいですね!」
この言葉は、私たちにとって非常に嬉しい励みになりました。
「それは弊社の担当ではありません」と言って電話を切るのは簡単です。
しかし、「何ができなくて困っているのか」をまず聞き、一緒に整理する。
自社で対応できるところまで伴走し、そこから先は「この情報を伝えて〇〇メーカー様に聞いてみてください」と道筋を案内する。
私たちは、それも医療現場を支えるシステムパートナーとしての重要な役割の一つだと考えています。
これからも、「ただ自社製品の問い合わせに答える」だけではなく、医療現場の皆様の「困った」を少しでも減らせるようなサポートを心がけてまいります。